求人市場の状況(平成28年6月)
今回は【求人市場の状況(平成28年6月)】についてです。
公正な数値として厚生労働省が発表した数値を基に、求人市場の大きな流れを把握します。
尚、アルバイト募集なども想定してパートも含めた数値を使用しています。
【用語説明】
- 有効求人 ⇒ 実際に人の募集をしている求人案件数
- 有効求職 ⇒ 実際に仕事を探している人の数
- 有効求人倍率 ⇒ 有効求職に対しての有効求人の割合
- 新規求人 ⇒ 1ヶ月内で新しく募集をかけはじめた求人案件数
- 新規求職 ⇒ 1ヶ月内で新しく仕事を探し始めた人の数
- 新規求人倍率 ⇒ 新規求職に対しての新規求人の割合
マクロでの求人状況(日本全体)
まずはマクロ(全体)の動きを見てみます。
平成25年度の平均値と直近平成28年の6月の数字を比べています。
有効求人 | 有効求職 | 有効求人倍率 | 新規求人 | 新規求職 | 新規求人倍率 | 就職 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
25年度平均 | 2,178,634 | 2,236,579 | 0.97 | 8,111,354 | 528,892 | 1.53 | 175,659 |
28年6月 | 2,472,437 | 1,948,063 | 1.27 | 907,184 | 443,594 | 2.05 | 162,804 |
出典:厚生労働省 平成28年6月 一般職業紹介状況[実数](含パート)より
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/G08_48.pdf
ざっと確認していきますと、大きく2つの流れが目を引きます。
〇有効求人倍率が0.97 ⇒ 1.27へ上昇
有効求人倍率は高くなればなるほど、1人の求職者が選べる仕事の数が増えている、ということです。
雇用サイドから見ると(1.27/0.97)=1.31 ⇒ 31%程度、人を雇う難易度が上がっている、ということです。
〇新規求人倍率が1.53 ⇒ 2.05へ上昇
新規求人倍率は高くなればなるほど、新規で仕事を探す人よりも、新規で人を募集する企業が多い、ということを意味します。28年6月は2.05と2倍を超えていますので、今後も雇用難易度の上昇が続く、ということが予想できます。
まとめると日本全体の動きとしては、
平成28年6月は平成25年度平均に比べ、31%雇用が難しくなっており、今後もその流れが加速していく
ということがいえるでしょう。
アップステージに良く掲載されている業種について
次に「アップステージに良く掲載されている業種」に絞って見てみましょう。
接客・給仕、自動車運転、営業の3つで【28年6月の実数】【28年6月の対前年比】を見ます。
※倍率はポイント差、その他はパーセンテージで比較
28年6月実数 | 新規求人 | 有効求人 | 新規求職 | 有効求職 | 新規求人倍率 | 有効求人倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
接客・給仕 | 41,803 | 125,348 | 9,375 | 36,581 | 4.46 | 3.43 |
自動車運転 | 32,956 | 95,575 | 11,977 | 43,557 | 2.75 | 2.19 |
営業 | 30,172 | 86,682 | 15,637 | 66,700 | 1.93 | 1.30 |
対前年比 | 新規求人 | 有効求人 | 新規求職 | 有効求職 | 新規求人倍率 | 有効求人倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|
接客・給仕 | 7.0 | 6.9 | -8.3 | -9.3 | 0.64 | 0.52 |
自動車運転 | 1.0 | 3.1 | -8.7 | -8.2 | 0.26 | 0.24 |
営業 | -0.3 | 5.3 | -12.9 | -12.3 | 0.24 | 0.22 |
出典:厚生労働省 平成28年6月 職業別一般職業紹介状況[実数](常用(含パート)より
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11602000-Shokugyouanteikyoku-Koyouseisakuka/G35_47.pdf
〇接客・給仕について
有効求人倍率が3.43倍、新規求人倍率が4.46倍とかなりの高水準になっており、前年比でもそれぞれ0.52ポイント、0.64ポイント上昇と求人環境の厳しさがわかります。
また有効求人数が昨年比6.9%増加し、求職者数が9.3%減少しています。
〇自動車運転について
有効求人倍率が2.16倍、新規求人倍率が2.75倍と全職種平均よりも高くなっています。前年比ではそれぞれ0.24ポイント、0.26ポイント上昇と接客・給仕と比べると上昇率は緩やかになっています。
また有効求人数は昨年比3.1%増加、求職者数が8.2%減少と、求職者の減少が求人環境の悪化要因といえます。
〇営業について
有効求人倍率が1.30倍、新規求人倍率が1.93倍と全職種平均よりも低くなっています。前年比ではそれぞれ0.22ポイント、0.24ポイント上昇と自動車運転と同程度の上昇率です。
また有効求人数は昨年比5.3%増加、求職者数が12.3%減少と、求職者の減少が目立つ結果となっています。
まとめると、
- 接客・給仕 ⇒ 「厳しいのにさらに厳しくなる」
- 自動車運転 ⇒ 「やや厳しいが緩やかに厳しくなる」
- 営業 ⇒ 「比較的マシだが競争激化の兆候あり」
- 全体的に求職者が減少している
こんな感じでしょうか?
実際に職業安定所を利用しない事業所や、求職者も居ますが、
目安だと考えて確認していただければと思います。
皆様に気を付けていただきたいこと
今まで見てきたように求人の環境は一層厳しさを増しています。
特に求職者の減少がすごいな、というのが正直な感想です。
数が減っていく求職者を多数の事業者で奪い合う時代。
そんな時代がもう来ている、というのが実感でした。
こういう環境の中では、
- ・電話1本、メール1本を大切に
- ・面接を大切に
- ・入社した社員を大切に
- ・求人ページの1PVを大切に
という観点が非常に重要です。
それぞれの対応がしっかり出来ているか、今一度見直しをお願いします。
アップステージの中で言えば、
- ・電話、メール対応の言葉遣い、話し方
- ・メールやLINE応募対応のスピード
- ・求人原稿が充実しているか?
- ・虚偽を排除した信頼される原稿になっているか?
こういったことにご協力頂ければ、より一層お役に立てる可能性が高くなると考えています。
アップステージでも様々な広告やSEO、集客施策などに取り組んで参りますので、
2人3脚でこの状況を乗り切れるよう、ご協力賜れましたら幸いです。
ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
以上【求人市場の状況(平成28年6月)】についてのご案内でした。
求人市場はかなり厳しさを増しており想像以上でした。
我々アップステージも、もっと良い方法がないか?考えながら走っていかねばならない
と気持ちを新たにした次第です。
代理店様、店舗様にはお手数をおかけいたしますが、
参考にしていただきますようお願い申し上げます。