“共に戦う仲間たち”~超速昇格者が見出した店づくりの攻略法~
第27回『DICE(ダイス)』統括/安池弘全さん(34歳)
一大決心して脱サラ!!
―まずはこちらのお店について教えてください。
今年で4年目を迎えた「DICE(ダイス)」とあわせて2店舗の統括を担当しています。
―4年というと比較的新しい印象ですが。
いや、ここ関内(神奈川県横浜市)では長い方ですよ。このエリアは店舗の入れ替わりが激しいのですが、その中でこの店は地道にお客様を獲得してきました。その賜物です。
―安池さんの手腕でしょうね!統括として普段はどのような仕事を?
主な業務は、通常営業、売上管理、男性スタッフの育成です。特に男性スタッフへのケアに、最近比重を置いていますね。男性従業員にこそ長く働いてほしいと思っているので
―「長く」というと、ご自身も長く勤められているのでしょうか?
この業界に入ったのは5年前なので、決して長くはありませんね。前職は、不動産会社の営業です。当時の収入を言えば、インセンティブなどが付いて年収1500~2000万でした。
―相当稼いでいたじゃないですか!?なぜ転職を?
たしかに、お金は良かったですよ。ただ、毎日の同じことを繰り返して、淡々と業務をこなしている日々に嫌気が差してきて、思い切って飛び出したんです。要は脱サラですね
―5年前というと三十路直前。かなりの決断ですが、もしや現在はさらに収入がアップしたとか?
いえ、収入自体は減りましたね。役職柄、変動がありますが、基本給が50~90万円、ボーナスなどが付いて年収は800~1000万円です。金額的には下がりましたが、その分、仕事へのやりがいや意欲はそれを上回っているので、苦にはなりませんよ。
繁盛店は男性にこそ優しい
―年収1000万円超。下がったとはいえ高所得ですね。5年でどのようにのし上がったのでしょうか?
入社してからすぐにこのポジンションですね。
―え!?そんなことあるんですか?
本来はボーイから始まり、マネージャー、店長、統括、部長という役職を段階的に上っていきます。入店すぐの給料は月25万円からスタート。順序立てていけば階段を上る必要がありますが、私の場合は全く違うことをしてステップアップしたんですよ。
―違うことというと?
入社したタイミングが、ちょうど「DICE」の開店準備中。それに合わせて、オープン前の1ヶ月間で女性キャストを15人集めたんです。店のキャストが皆、私が連れてきた女性であれば、自ずと私が経営を任されることになるでしょう。
―たしかに。それは狙って?
もちろん。この業界、やはり一番重要なのは人なんですよ。いい人材を集めることが売り上げに直接つながります。経験がなくとも、年齢が若くとも、いい女性キャストやできる男性スタッフを連れてくることができれば、自身が経営する店をすぐにオープンさせることだってできるんです。
―よもや今日まで失敗知らずですか!?
いえいえ、厳しかったこともいろいろありますよ。売上が上がらなかった時期は本当に大変でしたし。ですが、それよりも辛かったのは手塩にかけて育てていた男性スタッフが辞めたことなんです。いまも誰かが辞めるという夢を見るくらいで、起きたときにすごく焦るんですよ(笑)
―夢に見るとは、もうトラウマですね(笑)
それくらい一緒に働く仲間は私の中で重要です。だからこそ、店としても男性スタッフの待遇向上には意欲的に取り組んでいます。「CLUB DICE」のウリは男性スタッフに優しいことなんですよ。
―というと?
いろいろとありますが、出勤時間がオープン1時間前というのもその一つです。
―ナイトビジネス系のお店だと珍しいですね。
大概の店は営業開始の2~3時間前から入りますが、私の店では21時オープンなので出勤は20時です。無駄な労働時間を削減しています。お休みは毎週木曜日の定休日に加えて、月1回の有給休暇を付与しています。
―他にもありますか?
役職に付けば、また変わります。店長以上になれば携帯電話代が支給されますし、繁忙期の7月と12月の成績次第ではボーナスがあります。また、月に営業経費として10万円を使うこともできますね。
―営業経費!?って何に使っていいものなのしょうか。
基本的には店舗スタッフとの交際費として利用してもらっていますね。人と人の仕事ですので、店として金銭的にバックアップしています。
―業務上の待遇はかなり充実してますね。
さらに言えば、男性スタッフに限る話ではないですが、毎年、社員旅行も実施していますよ。女性キャストも合わせて数十人で一昨年は新潟、昨年は札幌に行きました。もちろん費用は店が全額負担。かなりの人数になるので一度に100万円近く使っています。また、春は花見、夏はバーベキューと、働いている皆さんを労うイベントも定期的に開催していますよ。
―社員旅行なんて、今の時代なかなかできませんよ!
男性スタッフが働きやすい環境づくりが、いい店づくりにつながりますからね。他から見れば、ちょっと男性に甘過ぎるのかもしれませんが(笑)。
―実に働きたくなる環境ですね。これを見て「CLUB DICE」に興味を持たれた方へ最後にメッセージを
現在は関内で2店舗を経営していますが、近々、別のエリアへの新規出店を考えています。今がチャンスだと捉えてください。上を目指したいと考えている方、それを行動に移せる方と、私は一緒に稼ぎたいと切に思っています。当店では、自分の手腕でのし上がるという意思に対して、全面的に協力を惜しみません。もう一度お伝えしますが、「男性に優しい」のがウリなんです。夢や希望を抱いている方は、われわれと一緒に稼いで、それを実現しましょう。
編集者・コピーライター。千葉県出身。出版社勤務を経て独立。雑誌やWebで編集記事、広告等を手掛けながら、地域活性化イベント等の企画・運営も行う。