怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」とは
頭に血が上った状態では仕事も人間関係もうまくいかないものです。「荒れる気持ちを素早く鎮めることができれば良いのに……」と思ったことはありませんか?
そんな時に有効なのが、怒りをコントロールする方法「アンガーマネジメント」です。
アンガーマネジメントで怒りはコントロールできる
怒りは、心身の危機に対する防衛反応の一種。怒りそのものは悪いことではありませんし、怒りをモチベーションに変換できれば、目の前にある課題のクリアに一役買うこともあります。
その一方で、頭に血が上った状態では冷静な判断が下せず、取り返しのつかないことをやってしまうことも少なくありません。
怒りという感情をなくすことはできませんが、毎日のトレーニングで素早く鎮めることは可能です。このことを「アンガーマネジメント(怒りの管理)」といいます。
怒りのタイプ別コントロール方法
怒りには4つのタイプがあり、それぞれに冷静さを取り戻す対応方法が異なります。
■持続性がある怒り■
いつまでも怒りが収まらず、ふとした瞬間に嫌なことを思い出してイライラしてしまうときは、すぐさま別のことに思考を切り替えることが効果的。
今するべきことに集中するのがベストです。
■強度が高い怒り■
怒りの沸点が低く、一度沸点を超えてしまうと必要以上に激しく怒るタイプには「怒りを数値化」するのが良いでしょう。
今の怒りは10段階のうち、どれくらいの怒りに相当するのか頭に思い浮かべると冷静さが取り戻せます。
また怒りの沸点が低い人は、怒りを表現するボキャブラリーが少ないため、この気持ちをどう表現したら良いのかわからずに気持ちが爆発してしまう傾向があります。
語彙を増やして、怒りを冷静に分析できるようにするのも効果的です。
■頻度が高い怒り■
ちょっとしたことにイライラしやすい状態の時は、気分転換が効果的です。
冷静な状態にきちんと気分が切り替わるように、複数の方法を用意しておくと良いでしょう。
■攻撃性が高い怒り■
怒りが人や物への攻撃として出てしまう人は、気持ちが高ぶっている間はとりあえずその場を離れ、冷静さを取り戻す努力をしましょう。
最初の6秒をやり過ごす
嫌な目にあい気持ちが高ぶっても、興奮の原因であるアドレナリンの分泌は6秒で減少を始めます。
つまり最初の6秒をやり過ごすことができれば、心は冷静になっていくのです。
この6秒のうちに「思考を切り替える」「気持ちを数値化する」など、怒りのタイプに応じた対処法をおこなうようにしましょう。
許容範囲を広げる
心が狭いと怒りやすくなるので、「このあたりなら、怒るほどのことではない」とい範囲を広げるようにしましょう。
「こうあるべき」という範囲を広げることで、むやみに怒らなくて良くしていくのです。
変えられないものは受け止める
渋滞にはまって約束の時間にたどり着けそうにないときは、誰でもイライラしてしまうものです。
しかし、今すぐ渋滞から抜け出す方法はありません。
そうした「自分の力で変えられないもの」によるイライラは、解消法がないのでイライラするだけ無駄です。
こうした怒りに対しては今できることを探し、対処することで冷静さを取り戻しましょう。
長い人生にはこういうこともあるものだと受け止めるのです。
アンガーマネジメントは日々のトレーニングで上達してきますので、怒りを感じたら、ここで紹介した方法を繰り返しおこない、気持ちを上手にコントロールしましょう。